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心疾患と治療

CARDIAC DISEASE AND TREATMENT

低侵襲手術・da Vinci・MICS 

1.低侵襲手術

Q.心臓手術における低侵襲とは?
A. ① 人工心肺を使用しない・・・オフポンプ冠動脈バイパス術 (off-pump coronary artery bypass; off-pump CABG, OPCAB)
② 胸骨を切開しない・・・minimally invasive cardiac surgery; MICS(狭義の低侵襲心臓手術)

手術創(傷)の違い

①オフポンプ冠動脈バイパス術
(off-pump coronary artery bypass; off-pump CABG, OPCAB

●冠動脈バイパス術
当院では単独冠動脈バイパス術の90%以上をオフポンプ手術で行っています。
さらに、胸骨を切開しないMIDCAB, MICS-CABGあるはハイブリッド冠血行再建治療を、ロボット手術を併用して行うこともあります。
MIDCAB (minimally invasive direct coronary artery bypass)・・・LITA-LADバイパスのみのMICS-CABG
ハイブリッド治療・・・多枝病変(=複数個所の病変)に対してCABGとPCIを組み合わせた治療。左冠動脈にCABG(MICS-CABGあるいはMIDCABのことが多い)、右冠動脈にPCIを行うことが多い。

②MICS手術

・・・胸骨を切らない手術方法です。
胸骨を切ると、術後胸骨が癒合するまでの2-3か月の間、重いものを持たないようにとか、ゴルフやテニスなど体を大きくひねる運動をしないようにとか、生活動作に制限が必要になります。また、切った胸骨が出血したり感染したりするリスクがあります。

MICS手術では、肋骨の間から心臓にアプローチします。胸骨を切らないで小さな傷で手術を行うことができます。痛みの改善も早く、退院後の仕事復帰や日常生活動作の回復が早くなります。 単独の弁膜症手術や、本数の少ない冠動脈バイパス手術が適応となります。

●MICS大動脈弁置換術
右側の肋骨の間を小切開し、大動脈弁置換を行います。
小さな創から人工弁を植え込むため、縫合が少なくて済むような新しい生体弁 (Sutureless生体弁)が開発されており、当院でも使用しています。

2.da Vinci

MICS手術のときに、創をできるだけ小さくして、なおかつ良好な視野を得るために、内視鏡を用いて手術を行います。
当院では、最新の手術支援ロボット daVinci Xi Surgical Systemを用いた内視鏡下手術を行っています。
daVinciには4本のアームがあり、3D内視鏡カメラと3本の鉗子を用いて手術を行います。術者はコンソールという操作台に座って、3D画像を見ながら鉗子を遠隔操作します。その操作はヒトの手の5倍もの繊細さでロボット部の鉗子に送信され、手ブレ無く鉗子が動きます。daVinciの鉗子には関節がたくさんあり、人間の手のような動きを、人間の手以上の可動域で行うことができます。
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